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香辛料のお話(お刺身とワサビ)

最近、ただでさえ高くて口に入りにくいトロが、漁獲割り当てなどでますます食べにくくなってきてるようですね。こんな話がされているお刺身は、料理屋さんで出される時も、スーパーで売られてる時も、多くの場合せんぎり大根の上にシソの葉があり、その上にお刺身が盛り付けられて、ワサビしょうゆで食べますよね。この盛り付け方法と食べ方、なぜだと思います? 実は、ちゃんと意味があるのです。

お刺身は、生ものです。加熱処理してない魚には、寄生虫がいたり生臭さがあったりします。香辛料(=薬味)のシソの葉は、生臭さをとると同時に解毒の作用があります。また、香辛料のワサビはジンマシンの薬でもあります。そして、シソの葉・ワサビ・大根は、胃腸の弱い人や食べ過ぎた時に腸内で腐敗発酵するのを防ぎ、もたれにくくする胃腸薬の働きがあります。どれをとっても無駄なものがないのです。

これ以外に昔から食べる時の知恵として
・寿司にワサビとガリ(生姜)
・てんぷらに大根おろし(大根も香辛料の仲間)
・さんまに大根おろし
・納豆にからしとネギ(ネギも香辛料の仲間)
・うなぎに山椒
・豆腐にしょうが・からし・ネギ
・ざるそばにワサビ     etc.

生ものや冷えたもの、脂っこいもの、あるいは納豆のような噛みにくい食品を食べると胃腸は消化するのがたいへんになります。そこで香辛料をいっしょに食べると、胃液の分泌や胃の蠕動運動が促進され消化を助けてくれます。とくに胃腸の弱い人の場合、畜肉や高脂肪食には、大量の香辛料が添えられなければ消化吸収しにくくなります。老人の方やお子さんで刺激物は、なんでもいけないと思って香辛料を敬遠される方もおられますが、香辛料は血流促進作用があり身体を温め、排便を順調にしスッキリさせて精神的にも安定させます。香辛料を食べずに下剤を飲むのはいかがなものかと考えさせられます。(市販の胃腸薬には、香辛料の仲間が入ってるものが多いです。)

また、香辛料は、漢方的には「気剤」というものに属し精神神経の安定剤でもあります。最近、「プチうつ」や「キレる」など精神的な病に冒されている方が増えています。これらの症状は、漢方的には食べ物や体内の水分代謝と関係があります。食べ物は西洋化して脂っこいものを摂る。冷蔵庫や自動販売機で冷たい水分を摂りすぎる。このような飲食生活で食滞・水滞になっているのに、香辛料も摂らない・(水滞で身体が冷えているのに)温かいものも摂らないという身体にとって大変過酷な状況をつくっています。香辛料で胃腸に負担のかかる脂っこいものを処理し排便を正常にし身体をあたため、さらに過剰な水分摂取を控え身体を冷やさないことが重要になってきます。また、香辛料は、過剰な水分摂取で弱ってる「腎臓」も間接的に助けてくれます。

香辛料(=薬味)についてまとめると
@消化を助け胃腸の機能の負担を軽くする ⇒ だから、お腹が張って苦しい人に良い
A体内の血流を促進して冷えを除く ⇒ 寒がり・冷え性の人に良い
B皮膚からの発汗、発散を活発にする ⇒ 風邪気味の予防にも
C腐敗を防ぎ、かつ殺菌効果を有する
D便通を正常化する
E心を安らげストレスを解消する

香辛料は漢方的には、肺・大腸・鼻・皮膚のお薬です。酸味のものといっしょに摂るとさらに良いでしょう。上手に使えば、長生きのための食品です。いろんな種類の香辛料を家庭や職場に用意して、常から積極的に香辛料を摂るように心掛けましょう。